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毛をたずねて書籍外観毛をたずねて ~ 刷毛談義 ~第一編 木版刷毛

[第11回] 木版刷毛

木版刷毛のイメージ

我が国における活版印刷術は室町末期より本格化すると見られるが、それより早く島原では西洋活字による印刷が成されていたから、江戸時代のキリシタン弾圧が無ければ、我が国の活版印刷技術はもっと早く進歩したかもしれない。

一方、世界最古の印刷物である「百万塔陀羅尼」が示すように、我が国でも古くから木版印刷が行われてきた。

木版による細密な表現は長く困難であったが、江戸期、錦絵の制作工程においてその技術は頂点に達し、長い間上流社会のみの占有物であった絵画を、一般庶民に拡めるのに多いに役立った。

木版印刷では、版木に色を盛る際に刷毛が用いられるが、この刷毛の素材は馬毛に限られていた。また同じく木版印刷に必須のバレンも明治時代までは刷毛業者が取り扱うものと考えられていた。