屏風はおよそ2000年前の漢の時代、中国にてはじめて作られたとされている。
奈良時代、東大寺に納められた聖武天皇の遺物の中に日本製と見られる屏風が複数点存在していることから、当時国内でも既に屏風貼りに刷毛が用いられていたのではないかと推定される。

屏風は、室内装飾や風防・間仕切り等実用用途に用いられる一方、書家・文人・画家の表現の場としても利用される。
遊郭の間仕切りとして用いられる屏風もあれば、京都祇園祭で旧家に麗々しく飾られる屏風もある。
これらエピソードの紹介は、あるいは著者によるエスプリの効いたアイロニーと見るべきか。